労務費は、建設業における工事原価の一つであり、他の費目と同様に工事ごとに算定されます。
工事で発生する費用を工事原価の適切な費目に分類して集計することが、工事原価の会計処理の第一段階です。
建設業経理士の検定試験でも、原価の費目ごとの取り扱いに関する問題の出題があり、実務においても各現場ごとの会計処理を必要とします。
各費目の意味と会計上の処理方法を理解することが、建設業経理士の検定試験合格と実務の両方に有効です。
目次
建設業簿記における労務費と人件費の違い
建設業経理士が使用する労務費は、工事に直接従事する人の給与や法定福利費などをいい、人件費の一部ではありますが、工事原価の算定のための会計処理では分類されます。
人件費は、その使用される目的によって、労務費、販売費、一般管理費に振り分けられます。
労務費には、賃金、パートやアルバイトの給与、賞与、各種手当、退職金積立、法定福利費の会社負担分などがあります。
これら労務費を工事に直接従事する人の分と間接的に従事する人や事務担当者に支払う分として、直接労務費と間接労務費に区分します。
労務費の算定には、工事に従事する人の勤務表や外注業者との契約書や支払明細書等の基礎資料から仕分けなどの会計処理をします。
建設業経理士が使用する労務費
建設業経理士が使用する労務費は、前述のように、直接工事に従事する人の賃金や法定福利費などがあたります。
注意すべきは、現場管理者や技術者に支払われる給料が、人件費として工事経費として計上される点です。
建設業での労務費は、工事の施工に直接従事する人が対象となるため、施工工程の一部外注の内容が、工事現場での労務作業の場合には外注費でなく、労務費に計上します。
労務費の算出には、建設工事原価計算基準を利用することが目安をなり、建設業経理士のテキストにも引用されています。
実際の会計処理では、工事現場ごとの作業時間や労働日数を記録した勤怠表を元に按分することで労務を算定します。
建設業経理士が行うべき労務費の処理については、検定試験の過去問題などにもその方法をみることができ、実務においても同様の処理が必要です。
建設業の工事原価に占める労務費の扱い
建設業経理士が工事現場の労務費の計上のためには、工事に従事する人の作業日報や出勤簿といった記録が不可欠です。
労務費は、人件費の一部と考えるのが原価管理としては適切です。
人件費は、その業務内容によって分けられ、生産に直接従事した分は「労務費」、販売のための人件費は「販売費」、経理や事務の従事者の人件費は「一般管理費」とされます。
労務費には、直接労務費と間接労務費に分けられ、具体的な処理の仕方は、建設業経理士の検定試験の過去問題や市販の問題集を参考にすることをオススメします。