建設業経理士は、一般の業種で行われる事務や会計処理とは違う建設業に関する経理のスペシャリストに与えられる資格です。
建設業経理士の認定には、建設業振興基金が実施する検定試験に合格する必要があり、そのための準備には独学や専門学校や講習会などを利用した方法があります。
1級から4級まで設定された建設業経理士検定でも、建設業界で経理のスペシャリストとして重宝される1級と2級の合格には、その難易度などからも独学での取得が可能です。
建設業経理士の資格取得を目指して準備を始めた初学者が、独学での合格を目指す際の注意点や勉強方法などを紹介します。
建設業経理士の資格取得を独学で目指す際には?
建設業経理士に限らず、さまざまな資格取得を独学で目指すには、まず、行われる試験概要や出題範囲などを知ることが重要です。
建設業経理士2級の検定試験は、建設業振興基金が9月と3月の年に2回実施され、建設業の簿記、原価計算、会社会計といった出題範囲が設定されています。
検定試験の内容は、日商簿記検定の内容にほぼ準じたものとなっていますが、建設業会計の分野が付加されているため、日商簿記検定3級と2級の中間程度の難易度といえそうです。
そのため、簿記の知識が全く無い人や建設業経理士検定試験を全く受験したことがない初学者は、日商簿記の最低位級、あるいは建設業経理士4級のテキストや問題集から勉強したうえで、2級の検定試験準備を始めた方が、遠回りのようですが効率的な効果が期待できます。
建設業経理士の資格取得を独学で準備するには?
建設業経理士の検定試験の概要を、実施団体である建設業振興基金のホームページで確認し、理解ができたら、必要な教材を揃えます。
必要な教材には、市販されている建設業経理士2級のテキストと過去問を収録した問題集、そして12桁まで計算できる少し大きめの電卓を準備します。
独学での合格を目指す場合、複数のテキストや問題集を一度やりきるよりも、一冊のテキストと過去問を収録した問題集を複数回こなす方がオススメです。
教材を決めたら、試験日から逆算して、テキストと問題集を3回転できるように、3つの期間を設定します。
まず最初の期間では、テキストを読み込みますが、最初の一回目は全体をつかむために理解できない箇所は、理解できないことを認識したままで読み進め、二回目に重要なポイントを確認しながら、納得するまで読み込みます。
建設業経理士検定試験準備を始めた初学者が抱く不安は、試験の内容や全体像を知らないために起きることもあり、テキストを一度ざっと読むことで不安の解消にもなります。
そして、三度目に重要なポイントと理解しにくかった場所を復習するような読み込み方をします。
テキストの内容を理解したら、二つ目の期間で、過去問を収録した問題集を繰り返し解き、復習を繰り返し、出題パターンを理解するとともに、テキストも活用して理解を深めます。
さらに、三つ目の期間では、試験を想定した準備として、実際の試験時間に合わせて過去問を解くなど実践的な準備と、弱点となる箇所の復習を行います。
建設業経理士の資格は独学での取得が可能
建設業経理士の資格は、独学での取得が可能ですが、まずは実施される検定試験の概要を知り、必要な教材を揃え、試験日から逆算した学習計画を立てることが重要です。
建設業経理士の準備を始めた初学者は、まず試験に出題される範囲となる内容の全体像を掴むために、テキストを一度流し読みすることで、不安材料を明確にできます。
そして、一冊のテキストを最低でも3回転させる学習が可能な計画を立て、必要な知識を問題集を繰り返し解くことで実施される試験に対応が可能な状態とすることが不可欠です。