建設業経理士2級の試験と工業簿記の関係性は?

建設業は、施主からの依頼を受けて製造過程を経て建造物を引き渡すため、一般的な商品販売を行う業種と製造業の両面の性質を持ちます。

また、一般的な企業に設定される会計年度では収まりきれない工事も多く、複数年にわたる工事期間もあるため、建設業会計には特殊性があるといわれています。

そのため、建設業の会計を専門に行う事務担当者の技量を明確化する検定試験があり、公共工事の入札の要件となる専門職として、建設業経理士の1級と2級の資格があります。

建設業経理士の2級や1級の検定試験で出題される工業簿記の関係性などについて紹介します。

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商業簿記と工業簿記の違いは?

建設業における経済活動には、企業ごとに事業規模の違いはあっても、営業や事務といった建築や土木に関わる商品の売買に関わる商業簿記と、建物や土木の構造物の生産に関わる工業簿記の二種類が必要です。

簡単に言えば、商業簿記は商品の販売業を対象とした簿記であり、工業簿記は製造業を対象とした簿記です。

商業簿記では、商品の仕入れや販売、それによって生じる損益を明確にする会計処理がなされますが、工業簿記では、販売する建造物を製造するための原価計算を行う必要があります。

建設業においても、製造業に特有の材料を仕入れて、人や機械による加工して製造するといった過程があるため、建設業経理士2級や1級の試験では、工業簿記に関する内容が問われます。

建設業経理士2級の試験と工業簿記の関係性

建設業経理士2級の検定試験では、財務諸表や原価計算の科目に工業簿記の知識が必要となるため、日商簿記の工業簿記と共通する内容も問われます。

建設業では、建物や建造物の建造に必要な材料の仕入れから完成までを請負契約という形態で業務が行われ、一般の製造業で用いられる工業簿記と共通した原価計算が必要となります。

そのため、建設業経理士の検定では、一般の工業簿記と共通した費目に加え、建設業に特有の費目や知識、会計処理に関する内容が出題されています。

とはいえ、建設業経理士2級で問われる工業簿記は、簿記を構成する一つの要素であり、会計処理の基本的な考え方は商業簿記と共通しています。

建設業経理士2級の検定試験には工業簿記の要素が含まれる

建設業は、施主からの依頼を受けて建造物の製作過程を経て、施主へ完成物の引き渡しが行われるため、会計処理には商業簿記と原価計算を必要とする工業簿記が必要です。

そのため、建設業の会計のスペシャリストにあたる建設業経理士2級や1級の検定試験では、商業簿記の範疇だけでなく、工事現場での原価計算を算定するための工業簿記に関する費目や会計処理が問われます。

商業簿記と工業簿記の会計

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