建設業における会計処理は、一般的な業種で行われるものと違う勘定科目の使用のため特殊性があります。
そのため、建設業での簿記の理解度や処理の技能の均一化をはかり、その信用性の向上のために4段階の球威が設定された検定試験が実施されています。
検定試験の4級と3級の合格者に付与されるのが建設業経理事務士の称号であり、2級と1級の合格者は建設業経理士の称号が付与されます。
建設業経理事務士は、建設業簿記でポイントとなる基本が試されて認定される資格であり、実務においてはそれほど重要度が高い資格ではありません。
建設業経理事務士の資格取得は、建設会社へ就職するときのアピールポイントとはなりそうですが、上位資格の建設業経理士の取得も必要となります。
建設業経理事務士の検定試験に出題されるポイント
建設業経理事務士には、4級と3級があり、それぞれの検定試験の出題内容には、実施機関である建設業振興基金のホームページにも概要が記載されています。
ホームページによると、4級では、初歩的な建設業簿記を理解していることが必要とされる簿記の仕組みが問われ、3級では、基礎的な建設業簿記の原理と記帳や初歩的な原価計算の理解、決算などに関する初歩的な実務程度の建設業の簿記と原価計算が問われます。
建設業経理事務士には、実際の実務の高度な会計処理ではなく、一般事務の初歩的な仕訳や元帳などへの転記といったものが求められるため、一般的な簿記と建設業簿記の違いと特徴を理解しておくことがポイントです。
建設業経理事務士の検定試験は、毎年3月の年1回のみ実施されており、2級以上で年に2回実施されることと違いますので、注意が必要です。
建設業経理事務士の資格取得のポイント
建設業経理事務士の資格取得には、上位級位と同様、検定試験の合格が必要ですが、特別研修というものがあり、高い合格率が期待できますのでオススメです。
建設業経理士の1級と2級では、検定試験の合格が必須条件ですが、建設業経理事務士の4級と3級では、特別研修でポイントを押さえた講習を受けることで理解を深めて受験することができます。
テキストと過去問題集などでの独学でも習得が可能ですが、効率的に資格取得を目指す方法として利用することは有益だと思います。
個人的にも、建設業経理事務士の特別研修を受講して検定試験に合格しましたが、検定試験に出題される内容にポイントを絞りながら、建設業会計に必要とされる各級の程度に準じた講習は、効率的な理解につながります。
建設業経理事務士3級の資格取得は、建設業経理士となる2級の検定試験の出題範囲の半分を理解したことにつながり、その後の資格取得のためのポイントにもなります。
建設業経理事務士の合格のためのポイント
建設業経理事務士の資格は、建設業簿記の基礎となる内容が問われ、その後の建設業経理士の取得の出題範囲の半分を占めるため、確実に習得することが大切です。
建設業経理事務士は、建設業の会計部門に従事しようとする場合に知っておくべき最低限の知識と処理方法が求められますので、テキストや問題集での独学や特別研修を利用して、受験生に合った方法での習得が必要です。
受験準備の際に、検定試験の実施要項や試験内容についてリサーチしておくこともポイントとなりそうです。