建設業経理事務士は、建設業に特化した簿記の検定試験の合格者のことで、建設会社の就職や会計業務を行う際の社内評価の基準となります。
建設業経理事務士の資格には、4級から1級までの段階があり、現在実施される検定試験では、3級と4級の合格者が建設業経理事務士とよばれます。
上位級の1級と2級は、建設業経理士とよばれ、建設業経理事務士よりも資格保有者と所属企業の両方にメリットがあります。
建設業経理事務士の資格は、資格取得者本人の第三者への技量水準を明確にできるメリットが大きく、建設業に従事しようとする場合には有利に働きます。
建設業経理事務士の資格の影響は?
建設業経理事務士の資格を保有した人が、建設会社などへ就職する際のメリットは当然ですが、所属する企業にとっても価値ある存在といえます。
建設業経理事務士の有資格者は、建設業の会社においては公共工事の入札の際に経営事項審査の評価項目対象であることから重要な存在であり、特に1級と2級の建設業経理士がその対象となります。
その意味では、建設業経理事務士の4級と3級の資格は、重要度が低減されますが、社内での業務遂行において、仕事を頼めるかどうかの判断材料ともなります。
建設業経理事務士の3級資格の取得は、建設業経理士の2級の検定試験の合格に求められる出題内容の半分は習得したことと同義と考えられ、その後の資格取得に有利な状況です。
実務に携わる人にとっては、短期間での資格取得は、資格手当がついたり、社内での評価アップにつながり、メリットがさまざまに考えられます。
建設業経理事務士の資格取得の方法
建設業経理事務士の資格取得には、建設業振興基金が実施する検定試験を受験し合格する必要があり、誰でも何級からでも受験が可能です。
建設業経理事務士の本来のメリットを考慮すれば、2級以上の合格が必要となりますが、それを短期間で取得するには、年に2回実施される試験のうちの3月を利用することがオススメです。
4級の資格から順に取得する方法がセオリーですが、同時に受験できる級はふたつですので、通常の検定試験を受験する場合、3級と2級の併願受験が効率的な結果が期待できます。
もちろん、4級については、過去問題での合格点数約70%以上の実力をつけておくことは必須です。
3級の資格取得ができれば、4級の資格保有の有無はそれほど問題ではありません。
建設業経理事務士の資格取得で得られるメリット
建設会社によっても違いますが、建設業経理事務士の資格保有での仕事の振り分けというよりも、社内での勤務状況に合わせた上司からの指示がウエイトを占める場合が通常と考えられます。
ただ、資格保有者には、より難度の高い仕事が振られることは間違い無く、それにより社内の評価向上やキャリアアップにつながるメリットがあります。
建設業経理事務士の1級と2級の資格保有は、資格取得者本人と公共工事受注をする際の所属企業のメリットや社会的な信用のアップにつながります。
そのため、3級と4級の資格保有の人も、なるべく早期の建設業経理士資格の取得をオススメします。